月曜日の朝方、保険の元彼の家に押しかけた。
どうしても会いたかったから。

「家に今の彼女の荷物あるけど・・・。」

それでも良い。
ただ会いたいって思った。

久しぶりに行く彼のマンション。
ちゃんとオートロックのドアの暗証番号覚えてた。

彼の部屋の前に立つと、ちょうど良いタイミングで彼がドアを開けてくれた。
約2ヶ月ぶりに見る彼はちっとも変わってなかった。

彼は変わってなかったけど、部屋は変わってた。
玄関には彼女のブーツや靴があった。
そして、部屋には彼女の衣服が大量に置いてあった。

そんなこと気にしないと思ってたけど、すごく悲しくなった。
以前は奈々子の服や化粧品が置いてあったのに・・・。
なんだか違う部屋に感じて居心地が悪かった。
挙動不審になってるのがわかった。

彼にどう対応して良いのかもわからなくなった。
だけど、彼は以前のように接してくる。
奈々子にべったりくっついてくる。
心の中では「彼女にもこんなことしてるのかな。」って考えながらも、拒否できなかった。

そんな時、彼の携帯が鳴った。

「彼女からや」

と言って、一目散に外へ出て行った。

一人部屋に残され、彼女の荷物を眺めた。
こんな虚しい気持ちになるなら来ないほうが良かったって思った。
だけど、会いたかった。

彼が部屋に戻ってきた。

「明日も仕事やから寝るぅ。」

奈々子も彼もベッドに入った。
寝ると言っていたが、30分ぐらい喋ってた。

「やっぱり俺は奈々子が好きや。でも、奈々子浮気した。この浮気者!!」

奈々子は返す言葉がなかった。
だって当たってたから。
でも、彼に対しても言いたいことはいっぱいあった。
だけど我慢した。
浮気した奈々子が言ったとしても、言い訳のように聞こえるから。
そんな惨めなことはしたくない。

小さなベッドで話しながら寝ていると、話の内容は別として、別れたようには思えなかった。

彼が話の途中で、キスをした。
はじめは軽く拒否した。

「浮気者!」

って言い返した。
だけど、さらにキスをすると理性を抑えられなくなった。

ゆっくり唇の形を確認するかのような優しいキス。
抱き合ってキスをしていると彼のものが大きくなるのがわかった。
無我夢中で彼のものを可愛がった。
だけど、途中で我に返った。

「これ以上はおあずけ♪♪」

と言って、中断した。
彼は悲しそうな顔をした。
だけど、彼も我に返り、眠りについた。

奈々子は寝つけなかった。
変わってしまった彼の部屋で、寝ることは出来なかった。
奈々子は服を着て、彼を起こさないように帰る準備をした。

涙が出そうになった。
だけど、これは自業自得なんだって自分に言い聞かせた。

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