もう一人のダーリン

2005年11月5日
大好きな彼氏、あんまり好きじゃない彼氏。
その二人以外に、実はもう一人彼氏がいる。

正直彼氏と呼べるかわからない。
連絡もあまり取れない、ましてや会うことも困難。
だけど、どこかで繋がっていたい。
その気持ちが私と彼を繋いでいるもの。

彼の職業はミュージシャン。
芸能関係に疎い奈々子は、出会った当初彼のことを知らなかった。
彼が奈々子の自由奔放なとこを気に入って、アプローチをかけてきた。
その頃は毎日メールしてたな。

本当に好きだから、奈々子に好きになってもらえるように努力する。

彼はいつもそう言っていた。
人に好かれることって、嬉しいことだよね。
いつの間にか、自然と彼に惹かれてた。

レコーディングやリハーサルなどで多忙の中、こまめにメールをくれた。
メールが無い日は、そわそわしていた。
東京に住んでいる彼と会うには、奈々子が彼のもとへ行くか、彼が仕事で奈々子の住んでいるところへ来るかのどっちかだった。
簡単そうに思えることだが、実際はともても難しかった。

出会ってから2ヶ月が過ぎた時、彼が東京でライブをすることになった。
彼に「ぜひ見に来て欲しい」と言われたが、予定が合わず断念。

そしてまた一ヵ月後。
今度は名古屋でライブをすることになった。
名古屋なら近いこともあって、予定を調整して、彼に会いに行くことができた。
残念ながら彼のライブは仕事の都合で見ることが出来なかったが、一晩一緒に過ごすことは出来た。

久しぶりに会う彼とは、少しぎこちなさを感じた。
他愛の無いことをTVを見ながら喋ってた。
ちょうどTVには音楽番組が映し出されていた。
福山さんの「桜坂」が流れ出した。
「この曲は良いよね」と奈々子が言うと、彼は桜坂を口ずさんだ。
初めて彼の歌う声を聞いた奈々子は鳥肌が立った。
思わず聞き入ってしまっていた。
彼から発せられる歌声は、どんなアーティストの歌声よりも優しく、力強く感じた。
今でも忘れられない歌声。
鮮明に覚えてる。

他愛の無い会話から、少し真剣な話になった。

「今日は来てくれて嬉しかった。」

「奈々子も会えてよかった。ライブは見れないけど、それでも名古屋に来ようと思った。」

「ありがとう。奈々子を思う気持ちは誰にも負けない。離れていても奈々子にとって近い存在で居たい。だから、奈々子もそばに居て欲しい」

そう言った彼は、優しく奈々子の首筋にキスをした。
彼の優しさが伝わってきた。
彼と付き合うことは、いっぱい苦難があることはわかっていた。
だけど、その時は何も考えられなかった。
ただ、彼をすごく愛しく思った。

無我夢中で奈々子達は愛し合った。

誰にも見つからないように、朝方彼のホテル出た。
別れ際、すごく悲しそうな彼を見ると、悲しくなった。
でも、彼には迷惑をかけたくないという思いが、奈々子を駅まで向かわせた。

それ以来、彼とは一度も会う機会が無い。
だけど、今月ツアーで彼が大阪に来る。
早く会いたいという気持ちが、一日を長く感じさせる。

彼に会いたいという気持ちが強くて苦しい時は、彼のライブのDVDを見る。
だけど、虚しい。
これじゃあ、ファンの人達と変わらない。
こんな恋もう嫌だと思ったことは何度もある。
だけど、名古屋で会った時に、奈々子のためだけに口ずさんでくれた歌声を思い出すことで、少し気持ちが和らぐ。

奈々子は、彼に一番近い存在だと言うことだけを信じて、会える日を心待ちにしている。

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